※今年の昭和記念公園の展示会は震災の影響で中止となりました。2日目には私メが雪割草栽培の講習会の講師を勤めることになっておりましたので、レジュメとして下記のような原稿を準備しました。雪割草栽培は皆様の棚の環境によって様々だと思います。ここでは私メが普段から目標としている一般的な栽培法を記載したつもりです。幻の原稿となってしまいましたのでここに掲載させていただきます。皆様の栽培の一助になれば幸いです。




雪割草の四季

状態 置き場所 施肥 植替え 病虫害 備考
基本 葉は毎年更新される。上手に作れば開花時にも昨年の葉が残って、理想的な草姿になる。 年間を通して透明な波板の下など、直接雨のかからない場所に置く。 原則は薄めの液肥を回数数多く与える。 適期は8月〜10月。それ以外に植え替える場合は季節に応じた対応が必要。 清潔な土と水、適度な光と風を心がけ、薬剤の散布回数を減らしたい。 自生地は夏に葉が茂り、秋には落葉する広葉樹林の林床。適度な湿度と適度な風通しがある。冬は雪に覆われ、安定した温度が保たれる。
3月 開花。早咲き種は葉の展開を始める。 半日、できれば午前中いっぱい日の当たる場所に置きたい。 チッソ・リン酸・カリ等分の2000倍液肥料を週に3,4回与え、葉の充実を図る。 花が終わり、葉が展開し始めたものは、水を多く必要とするので植え替えを控える。 月に1回、殺虫剤と殺菌剤を散布。 今年の葉が展開する前に前年の葉を切除し、光が今年の葉に十分に当たるようにする。
4月 自生地では花が満開となる。栽培種はほぼ花が終わり、今年の葉を展開する。 同上 葉が展開して固まるまで3月と同様に与える。 葉が展開している時期なので植替えを控える。敢えて植え替える場合は、涼しい場所で一週間程度越水にするなどして水切れを起さないように注意する。 同上。殺虫剤、殺菌剤とも同じものを続けて使うと病害虫に耐性ができてしまうので、異なる薬剤を使う。 種が実るので、採り播きする。が実るので、採り播きする。種のできない千重咲きなどの花茎は花が終わったら早めに切除する。
5月 葉の展開が終わり、厚みを増して固まる。 日差しがきつくなるので、50%遮光の寒冷紗などで覆う。 同上 葉が展開し終わり、固まれば植替え可能。 同上
6月 花芽の分化が始まる。 突然に晴れときなどは夏の日差しになるので、寒冷紗を2枚掛けにするなどして葉焼けに注意する。適度な風通しを図る。 リン酸・カリ中心の薄めの液肥を週に1度施し、花芽の分化を促す。 植替え可能 同上 暖かい雨には当てない。 長雨に当てると、葉に黒斑が現れ、他の株にも伝染して被害が広がることがある。早めに除去する。
7月 休眠期 寒冷紗の2枚掛けにして夏の日差しを防ぐ。適度な風通しを図る。 肥料は施さない。 植替え適期 同上 根にネマトーダが寄生している場合がある。粒状部分を取り除き植え込む。このときバイデートなどを一つまみ施す。バイデートは毒性が強いので取り扱いには十分注意する。
8月 休眠期 同上 肥料は施さない。 植替え適期 同上
9月 秋の根が動き始める。 下旬になり日差しが落ち着けば寒冷紗を1枚にする。 下旬からリン酸・カリ中心の薄めの液肥を週に1度施し、耐寒性の充実を図る。 植替え可能 同上 葉の中心部が黄変する場合がある。これはハダニによる被害が考えられる。葉裏から水を散布するなど、空中湿度を高め防除する。
10月 秋の根が生育。 寒冷紗を1枚にして柔らかな秋の日差しを取り込む。 リン酸・カリ中心の薄めの液肥を週に1度施し、耐寒性の充実を図る。 植替え可能 涼しさの訪れともに薬剤散布を極力控える。
11月 秋の根が生育。 寒冷紗を取り払って全日照としても問題ない。 上旬までリン酸・カリ中心の薄めの液肥を週に1度施し、耐寒性の充実を図る。 植替え可能 薬剤散布は控える。
12月 根はまだ動いている。 全日照。関東地方での栽培では、乾燥した北風を防ぐために風除けなどを工夫する。 肥料は施さない。 植替え可能だが凍結させない。芽が十分に膨らんだものは深植えしない。 同上 必要以上に風を遮断すると、灰色カビ病などが発生する場合がある。穏やかな空気の流れは必要。
1月 栽培種のうち早咲き種が開花し始める。 同上 肥料は施さない。 凍結の危険性があるので、できれば植替えは控える。 同上 暖かい地方では冬でもヨトウムシが活動する。捕殺する。
2月 栽培種が次々に開花する。 同上 チッソ・リン酸・カリ等分の2000倍液肥料を週に1,2回与える。 同上 同上